

この記事を書いている人はこんな人!
はじめは暇潰しに始めたネットゲームが次第に現実からの逃避行動になり、 依存が進む中で上達して周囲から褒められて心地よい居場所となり、徐々にプレイ時間と課金額が増加。3年目に国内大会で優勝したことでさらにネット世界にのめり込んでしまい合計5年間をインターネット/ゲームに費やしました。最終的に医療施設で依存治療を受けたことをきっかけに心身ボロボロの状態から1年かけて依存を克服することに成功しました。 現在は資格を取得してマッサージ師として働いています。 この過程で学んだ知識と経験を使って、現在進行形で依存に苦しむ人や予備軍を少しでも減らしたいと想い、私のリアルな体験談と依存を克服する為に必要なことをブログで発信しています!
この記事を読んで分かること!
✔️インターネット/ゲーム依存の克服方法が分かる! ✔️関係作り・安心感が重要な土台であることが分かる! ✔️克服6ステップがどのようなものか具体的に分かる!
それでは早速みていきましょう!
前回の振り返り

前回は【インターネット/ゲーム依存を克服①】を記事にしました。
克服には依存症本人だけでなく周囲の協力・家族関係の改善が必要になってくるということ。
辞めることが出来たと思っても、それは一時的なことで、すぐに以前のように依存状態に陥ってしまうリバウンドも珍しい話ではなく、常に一定ではない「依存の波」がある。というお話をしました。
では今回は、具体的な克服へのステップについてお話していきますね。

全部で6ステップあります。1つずつ見ていきましょう!
【1stステップ 関係づくり・安心感を取り戻す】

この1stステップでは、問題になっている行動に注意しすぎることよりも、 本人との関係を改善して、本人の安心感を高めることにより、 本人が行動の振り返りを行い・自覚が芽生えることに繋げることが目的です。
まずは関心を持って本人の話を聞きます。
どういった種類のゲームが好きで、どう言った点に面白さ・ワクワクを感じるのか。これを話してもらって共有します。
ネットゲームの使用状況についても聞きます。ただし注意点があって、ここでは決して本人を咎めるような態度を取るのではなく、素直な驚きや誠実な関心で向き合うようにします。
ある程度の関係ができた段階で、現状で困っていることは何かないか?を確認し、その問題について話をします。
さらに今の状況に不安や焦り、ストレスを感じることはないか?について話をしてもらいます。
現状への不安・焦りを具体的に語ってくれた場合は、本人の「何とかしたい」という思いが潜在意識として存在しますので、克服に向けてのチャンスが大きいです。
もし存在しない場合は、曖昧な答えしか返ってこないでしょう。
本人が治療におけるカウンセリングにいきなり出席することは少ないです。
しかし本人よりも家族のサポート方法や関わり方が初期段階では重要なケースも多いので、まず家族がカウンセリングを受けるのが初期段階では良いと思います。
依存者本人への関わり方を全く知らない家族は、本人の状態に過敏になっていて、時には否定的な評価を下したり、説教して無理やりやめさせようとしたりする。
しかし、この関わり方は本人の安心感を脅かします。
結果として強い反発・固執を引き起こして状況をより悪化させる場合が多いのです。
つまり、家族が本人に対する寄り添い方を見直すことが必要になってきます。特にうつ状態が強い場合には、本人を追い詰めないように配慮することで最悪の事態を防ぐことができます。
本人と家族の関係が安定し、安心感が脅かされない状況を作ることが依存克服に向けての土台になるのです。
頑丈でブレない家を作るにはまず土台が必要です。
【2ndステップ 気づき・自覚を育てる】

このステップでは、第1ステップに引き続き安心感を培いながら、 話しやすい話題を中心にコミュニケーションを図る。 本人側からすれば、家族から責められずに受け止めてもらえるんだ、 という安心感を作りながら、徐々に気付き・自覚を本人の中で育てていくステップです。
本人にゲーム・ネットについて会話してもらう場合には、ポジティブな話から始めます。
本人がゲームやネットに何を求めているのか、どういう部分に魅力を感じ惹きつけられるのかを語ってもらいます。
ある程度、会話が深まってきたらネットやゲームをやっている時・やり終わった時に不安・焦り・後悔を身に覚えることがないかを確認します。
問題を少しでも自覚している場合には、「実はそういうことがあるんだ。。」と打ち明けるでしょう。
この段階では話せる範囲で良いので会話しましょう。
さらに掘り下げるために、心からの楽しみとしてネット・ゲームを使用しているのか、それとも現実の嫌なことから逃れる為に使用している面はないか振り返ってもらいます。
現実に向き合い始めている場合は、現実からの逃避的な使用であることを認めます。認めた場合は、自分の状況に向き合おうとしている姿勢を褒めましょう。
そして逃避的な使用によってどんなことから逃げようとしているのかを考えてもらいます。
さらにそれによってどんなメリット・デメリットがあるのかを話してもらいます。ゲームのどういった部分が自分を惹きつけて離れにくくさせているのかを振り返り言語化することで、問題が明確になり自覚が促進されるのです。
悪循環を止める上で決定的なステップは、「自分が依存症に陥っているという認識を持つこと」です。
しかし重症なケースであればあるほど、それが難しくなります。
依存症の本人の罪悪感に触れた記事があります。
これは薬物と違ってネット・ゲームは合法であるがゆえに過剰に使用しても罪悪感が生まれにくいことが分かっています。
自覚を持つことはそれほど難しい、ということです。
自覚が芽生えた時点で克服へのプロセスの半分まで来ていると言えます。
その意味で、自覚が生まれることは回復・克服への大きな1歩であり、コントロールを取り戻すチャンスなのです。
【3rdステップ バックグラウンドに潜む問題を吐き出して整理する】

依存の自覚を育てることが出来れば次はそれをさらに深めて行動に変えていくために、背景にある問題を吐き出して整理するステップです。
認知行動療法を中心とするプログラムを受けてもらうか、もしくは共感的なカウンセリングを継続的におこなうと効果的です。
要は、本人の「やめたい気持ちとやめられない気持ちの間で揺れる心境」をしっかり受け止めて、本人の「でもやっぱり変わりたい!」というモチベーションを維持するのです。
純粋にネットだけ、ゲームだけに依存しているケースは少ないです。
多くの依存者は現実の対人関係や現実課題のつまずきによって不適応を起こし、そこから逃避する為に依存的使用に陥っています。そしてその根底には家族との不安定な関係や過保護、愛情不足が関係していることが多いです。
その部分に向き合って解決を見出していかないと、依存する行為だけをやめようとしても効果は出にくいです。
やめかけてもすぐ元に戻ったり、依存行動が減っても無気力・うつ状態が長引いたりします。
インターネット・ゲームにハマったきっかけ・背景を吐き出してもらい、そこに潜む不適応問題、心を傷付けられた経験、挫折した経験をゆっくり聞き出します。
そうした体験の中で何を感じて、どんな思いを味わったのか、今も何を恐れているのか
これを話してもらいます。これらを時間をかけて十分に共感しながら聴いていくことが必要です。
【4thステップ 変わることへの決心・決意を心の底から引き出す】

第3ステップの「傷付いた経験や抱えた苦しみを吐き出し整理し、それを十分に受け止める段階」を終えたら次は本人の「変わりたい」という決心を引き出していく段階です。
適応力を持っている人の場合は、ここで本人から行動を起こそうとして変わろうと動き始めます。
ここでは、小さな変化に目を向けてその変化を段々と大きくしていけば自然に行動が変わっていきます。
行動を大きくする方法は、まず小さな変化に着目して、よくそんなふうに考えて行動することができたね、と褒めて評価を与えます。
そして「どうしてそんなふうに変われたの?」「どうしてそんなふうに行動しようと思ったの?」と理由や動機を話してもらえればより効果的です。
このステップのゴールは、本人が現状を変えようとする決心を言葉にすることです。
この決心を行動として実行できるできないに囚われる必要はなく、本人の「自分を変えたい」「このままでは嫌だ、なんとかしたい」
まずは言葉を変える必要があります。
心からの発する言葉が変われば行動が変わるチャンスが大きくなります。
注意点としては、こちらから余計なことを言ったり・催促したり・急かすようなことを言うと本人の反発やブレーキに繋がってしまいます。
【5thステップ 決心を行動に移し変えていく】

このステップでは、第4ステップで「このままではダメ。変わりたい。」という本人の決心を具体的な行動に結び付けていきます。
ここでは焦らずに、小さな一歩を積み重ねていくことが重要です。
これは行動療法でも大切だとされており、小さなチャレンジ出会っても、そこで成功体験を何度も積み重ねることで大きな変化に繋がっていきます。
注意点としては、この段階で無理をして大きなチャレンジをして失敗してしまうと
本人が「結局自分には無理だ」「どうせやめることはできないんだ」と心が折れて再度チャレンジをしなくなってしまう恐れがあります。
具体的な小さなチャレンジを挙げると
たとえば「1日10時間プレイしていたネットゲームを1日9時間に減らす」です。
普通の人からすれば「え、全然変わってないよ」と感じてしまいますが、これがまさにスモールステップです。
この小さな一歩を達成出来れば褒めて評価します。
これを積み重ねていくのです。
この小さなステップを積み重ねながら自分の行動をコントロール出来ることの素晴らしさを体験してもらいます。
そしてこの気分を本人に吐き出してもらいます。
さらに旅行や仕事の繁忙期、学校であれば試験期間などの機会を利用して、何日間か使用しないチャレンジをしてもらいます。
こちらから促さずとも順調にステップを歩んでいる場合は、自分から完全にやめようとする人が現れます。
具体的にはゲームアカウントを自ら削除したり、ゲーム機器・P Cを処分したりします。
【6thステップ リバウンドを防ぐために現実活動をサポートする】

このステップでは、決意を行動に変化させて依存から抜け出すために現実活動をサポートしていきます。
依存が悪化するのか、克服に向かっていくのか。
これは適応状態と周囲のサポートにかかっています。
不安定な愛情を抱えていたり、発達の問題を抱える人は現実の対人関係が負担になります。
それに本人がうまく対処できない時に適切なサポート(相談できる状況を作っておくなど)をすることで、依存リバウンドを防ぐことができます。
そういった意味でも、「なんでも気軽に話のできる存在」が現実世界にいることが重要です。
家族や身近にいる人が本人の「安全な場所」になることが一番素晴らしいですね。それが不十分な場合は、カウンセラーがその役割を果たすことで補うことができます。
【まとめ】

ネット依存、オンラインゲーム依存の背景には現実の対人関係や家族関係で苦しみを抱いて居場所を失っているケースが多いです。
依存症は適応障害と表裏一体の関係にあります。
依存症にばかりに注視するのではなく、居場所を失った苦しみをしっかり受け止めて、心に傷を受けながら耐えて生きてきたことを前向きに捉えて、たとえ小さくても受け止め方に変化を起こすと行動にも変化が起こります。
そうなると自然と依存問題も軽減して良いバランスに変化します。
依存から克服する為に少しでもお役に立てれば嬉しいです。


今回は依存を克服するための具体的6ステップについてお伝えしました!

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